49.認識の変化がイノベーションを生む 「世の中の認識が『(コップに水が)半分入っている』から『半分空である』に変わるとき、イノベーションの機会が生まれる」    −『イノベーションと企業家精神』P.102− ☆物の見方が違えばそこには商機がある   コップに水が半分入っている。これをどう見るか。「半分もある」と見るか「半分しかない」と見るかで、意味はまったく異なってく  る・・・・・・。   どこかで聞いた心理テストのような話だが、ドラッカーはこのコップの水には、イノベーションの機会があると説明する。コップの水  に対する社会全体の認識が「半分もある」から「半分しかない」へ移行したとき、そこには新しいビジネスチャンスがあるという訳だ。 ☆チャンスに焦らず小さくスタートする  《いまの日本社会に見られる認識の変化》          [かつての認識]           [今の認識]           【新しいビジネス】   (水)   「ただが当たり前」         「できれば安全なものを飲みたい」 ミネラルウォーター   (タバコ) 「吸う人は周囲に遠慮は無要」    「禁煙・分煙は当たり前」     電子タバコ、禁煙外来   (医療)  「医者は先生、自分を見ていただく方」「信頼できる病院・医師を選びたい」「病院ランキング」企画    上記のほか、女性の社会進出に伴うしごとへの意識、安全に対する不安の高まりに伴うセキュリティ意識、豊かになり一人っ子が増   えたことによる親の子供への期待などが挙げられるだろう。    認識の変化はニーズの誕生を意味する。ただし、それをすくい上げたビジネスがどんな結果を生むのかを予測することはほとんど不   可能。認識の変化は一時的かもしれないし、局地的かもしれない。ただし、たとえばミネラルウォーターはブランド力のある採集地を   確保した会社が勝つ。つまり、いち早く、小規模に、範囲を限定してスタートすることが大切だ。 “認識の変化をビジネスにするのは早いもの勝ち。機を見て敏に動け。”