常に最前線で成果を出し続けるには・・・・イノベーションの生み方(イノベーションは企業の使命である) 40.「イノベーション」とは、いままで存在しなかった新しい価値を生み出すこと 「イノベーションとは意識的かつ組織的に変化を探すことである。それらの変化が提供する経済的、社会的イノベーションの機会を体系的 に分析することである」    −『イノベーションと企業家精神』P.15− ☆イノベーションの本質はよい変化を起こすこと  「イノベート(innovate)」の本質は「新しい方法、発想、商品を導入することで既存の事柄に変化を起こすこと」。イノベーションの 本質は、「よい変化を起こすこと」なのだ。  ビジネスの場面で「変化」が評価されるのは、当然、消費者に対して新しい価値や満足を提供できたとき。つまり「何がイノベーション なのか」は、商品やサービスを売る側(消費者)が決めることなのだ。イノベーションとは、評価の結果なのである。 ☆新しい価値を生むことはすべてイノベーションになる  したがって、新しい技術や商品だけがイノベーションと言うわけではない。モノを伴わない新しい保険商品や情報サービスなども、イノ ベーションになりうる。  @社内組織の編成を変える、A工場のラインを調整する、B会議の進め方を工夫する、C1日の仕事の順序を変えるといったことすらも、 最終的に新たな価値の創造につながれば、イノベーションだ。つまり、人、モノ、カネ、時間などの経営資源の使い方を変え、社会におい て、富を創出する能力を増大させるのがイノベーションである。技術的というよりもむしろ、経済的、社会的な意味合いの深い概念なのだ 。  会社には、常にイノベーションを起こす使命が求められる。だがそのとき「天才のひらめき」に頼ってはいけない。経営者や管理職がチ ームを率いて、意識的、組織的、体系的にイノベーションを起こしていくことが重要だ。 ☆イノベーションを起こす7つのチャンス(イノベーションの源泉)  1.予期しない成功と予期しない失敗    自社の市場に対する認識が実際のニーズからズレていることを表す。「予期しない成功」と「予期しない失敗」がある  2.不調和(ギャップ)を探す    企業のあるべき姿と現実、需要と供給、経営者の思い込みと現実、消費者の価値観との不調和などに気づくことが大切  3.プロセスニーズ    何かを行う際に必要な工程(プロセス)に隠された需要。仕事がどことなくやりづらい、従来のサービスに何か不便を感じる。そこ    には解決すべきプロセスニーズが存在している  4.産業構造の変化を知る    商品やサービス供給のしくみ、ニーズの枠組みが変わってしまう状態のこと  5.人口構造の変化に着目する    市場の総人口の増減、年齢構成・男女比・収入の変化・地域格差・職業などの変化。確実に将来が見える唯一の変化  6.認識の変化を捉える    物事に対する人々の考え方が変わること。その変化をいち早くとらえることが新規ビジネス開拓につながる  7.新しい知識を活用する    これまでになかった技術やノウハウを活用すること。「イノベーション」といえばこのイメージが強いが、実現まで最も時間がかか    り、最も困難が伴う “イノベーションの本質とは、経営資源の使い方を変え、富の創出能力を増大させること。”