33.つまらない会議を生産的な時間に変える  会社員の時間をムダに消費するものと誰もが思い込んでいる会議には、改善の余地が大いにある。目的を明確にし、全員が参加意識をも てる環境を整えよう。 「成果をあげるには、会議や報告書やプレゼンテーションから何を得るべきかを知り、何を目的とすべきかを知らなければならない。『な ぜこの会議を開くのか?』・・・を問う必要がある」  −『経営者の条件』P.97− ☆目的を明確にしない会議は、ただの雑談の場でしかない   「会議は出席者全員を刺激し、挑戦させるものにしなければならない」(ドラッカー)。もしそんな会議が実現したら、非常に心躍る  ものになるだろう。そのためにはまず会議の目的を明確にすることが大切。次に、その内容に合ったメンバーを厳選する。会議に参加す  る資格は、単にその内容にかかわっているかではなく、提案したり、ポイントを突く発言を通して生産的な意見が言えること。あるいは  、知識のあるスペシャリストとして貢献できることである。その上で、「貢献」をキーワードに、参加者全員が同じ方向を向いて議論す  ることが、あるべき会議の姿なのだ。 ☆もしもあなたが会議の司会者になったときは・・・   その場合、陥りやすいのは「司会者なのに、あなたの独壇場」というパターン。おそらくあなたは誰よりしっかり資料に目を通し、予  測される質問や、対立しそうな事項を心に留めているはずだ。その自分が一度通った道を得意げに案内するかのように誘導し、歩く速度  も、順路も全部自分のペースで進めようとしてしまう。   これでは自由な発想から意見を戦わせることはできず、あなたの意見を聞くだけの場で終わってしまう。司会は、メンバーの発言を交  通整理する役に徹するべきだ。 ☆会議をムダにしないポイント  1.目標を明確にする     なぜこの会議をするのか?会議の目的は情報の伝達なのか共有なのか、あるいは何かを決定することか?事前に目的を決め、告知    することで司会も参加者も準備の質が変わる  2.必要な人だけ集める     会議とは人の仕事を止めて行う仕事である。人の時間を浪費させる可能性はできるだけ排除する。役職や権限にとらわれず、意見    を聞きたい人だけを集める  3.役割を明確にする     社長や部門長が司会をしながら熱弁を振るうと、他の参加者は意見を出すことができない。司会はなるべく多くの人に発言させる    ように努めること  4.貢献に焦点を合わせる     会議の目的を明確にし、どんな答えを導き出したいかを共有する。そのうえで、そのための貢献を参加者に求める。こうすること    で発言への熱意も質も変わってくる  5.結果を関係者全員に報告する     結果は、役職にかかわらず、決まった内容の実行に関係ある人全員に伝える(事務員、現場作業員、警備員・・・)。決定事項の    検証ができ、思わぬ情報を拾い上げることもできる “会社・顧客への貢献を常に考え、会議を役立つものにする”