30.時間の使い方をマスターせよ! 〜前編 時間は蓄積もできず、金で買うこともできず、人に借りることもできず、過ぎてしまったら永遠に戻ってこない。 「あらゆる仕事が時間の中で行われ、時間を費やす。しかしほとんどの人が、この代替できない必要不可欠にして特異な資源を当たり前の ように扱う」  −『経営者の条件』P.47− ☆役に立たない計画づくりに時間を費やしてはうないか  みな自分なりの仕事の時間管理をしているはずだ。だが、たいてい思うように物事が進んでいくことはない。会社にいれば他人によって 時間が奪われるからだ。気づけば、いつも細切れの時間だけが残される。その貴重な時間を使って、また新たな計画を立てるのはあまりに 虚しい。 ☆“時間泥棒”の正体を見抜いて時間管理をマスターする  時間管理をマスターする手始めとして、記録してみよう。リアルタイムで記録し、事実を把握することだ。そして1ヶ月分ほどのデータ がたまっつたら、費やした時間と成果を比較してみよう。 1.まず、する必要のない仕事、結局なんの成果にも結びつかなかった仕事を見つけ、捨てる。 2.次に、人に任せられる仕事を見つけよう。それは部下を育てることにつながったり、外注に出すことで、より時給の安い人間にバトン  タッチすることにつながる。 3.最後に、自分のせいで他人の時間を奪っていないか、自分が組織全体の動きを鈍くする原因をつくっていないかを考える。1人で考え  ても答えが出ないから、部下に「君にとってムダな仕事で勉強にもならないうえに、時間を浪費させているようなことを、僕は何かして  いるだろうか」とでも聞いてみる。 ☆まとめ  Step1 時間の性質を知る   時間とは・・・  @調達できない   時間も資源だが、人やモノ、資金のように雇ったり、買ったり、調達したりすることができない。  A供給量は変わらない   いくら需要が多くとも供給量は変化しない。価格もつけられない。消費量と満足度の変化にも法則はない(限界効用が存在しない)。   蓄積できず、常に「足りない」  B代替できない   アルミの代わりに銅で、労働の代わりに資本で、肉体の代わりに知識で、という具合に他の代替物でカバーできない。時間には代わり   になる物がない。  Cすべての活動において必要   仕事すべてに共通する制約となる。だが、代替不可能で不可欠なはずの「時間」を当たり前のように浪費している人は多い。     ⇒時間には『管理』が必要である!    Step2 時間の使い方を知る   【前提】仕事を進めるには、時間を大きなかたまりで確保することが必要である   【するべきこと】時間の使い方を記録し、結果を定期的にレビューする           ・自分の時間をムダに消費させているものを見つける           ・常に調整を行い、仕事の流れの組み替えをめざす           ・非生産的な時間の使われ方を発見する   【問うべきこと】・しなくてよい仕事はないか?         ・成果を生まなかった仕事はないか?           ・それはしなくても大丈夫か?         ・人の時間をムダに消費させていないか?           ・他の人に任せてもよかった仕事はなかったか?     ⇒時間を浪費させる問題のありかが見えてくる! “時間を注意深く扱う人ほど、成果をあげる過程はスムーズになる。”