26.ビジネスチャンスの見つけ方B 「あらゆる関係者が起こりえないと知っていることこそ徹底的に検討しなければならない。起こりえないことが、自社にとって何 かを起こすための大きな機会になる」   −『創造する経営』P.226−  事業が安定していれば、それに越したことはない。しかし、事業を脅かす脅威は必ず存在する。それをチャンスに変えるには、 逆転の発想が必要だ。 ☆脅威に怯えるだけでは何も生まれない  ・かつて、アメリカの鉄道会社は、乗用車やトラック、航空機などの輸送手段が発達したころ、そのことを消費者を奪う脅威と   しか見ていなかった。   だが彼らはその後、“生き方”を変えた。人を運ぶ手段としての地位は自動車に譲り、貨物の長距離輸送に注力し始めたのだ   。さらに、自動車の利用が多く、利益の出にくい地方路線は廃止の決断をした。  ・アメリカの生命保険会社は従来、大きな貯蓄機関だったが、人々は豊かになるにつれ、生命保険以外で貯蓄をするようになっ   た。当初、生命保険会社は、その現実を業績を妨げる脅威と考えた。   だが、ある保険会社が投資信託会社を買収し、生命保険と投資信託をセットにしたパッケージプランを販売。業界平均以上の   伸びを記録したという。  ・日本でも似た例はある。たとえば古くからある商店街。大型ディスカウントショップの出店に怯えるだけでは、閉店に追い込   まれるしかない。   だが、なかには小規模専門店同士でチームを結成し、巨大店舗に負けない魅力をアピールして、業績を盛り返しているところ   もある。 ☆脅威をチャンスに変えるには?  @現実を受け入れる    ⇒「こんなはずはない」「こうあって欲しい」という思いを捨て、「ならばどう有るべきか」を考える     【新たな問い】・「脅威」は本当に脅威なのか?            ・その変化は本当に事業にとって「有害」なのか?            ・変化を逆に役立てられないか?  A「あり得ないと思うこと」を徹底的に検討する    ⇒業界関係者の誰もが「起こるはずはない」と知っていることには、大きなチャンスが眠っている     【新たな問い】・「あり得ない」「起こりえない」と言って脅威から目を背けてはいないか?            ・なぜ「起こりえない」と考えたのか?「起こって欲しくない」という願望ではないか?            ・確立された習慣に固執していないか?  B劇的な改善・改革への<心理的な抵抗>を克服する       ↓          ↓         ↓   「無理だと思われてい 企業体質・利益構造を 時代の変化の   ること」を起こせる! 根本的に改善できる  先頭に立てる! “ビジネスチャンスは、脅威のすぐそばにある。その発見は、習慣や思い込み、業界の常識を否定し、破壊することでもある。 心理的にも踏み出しにくいことが多い。だが、成長のためには、素朴に問うことが大切だ。本当にそれは脅威なのか。本当に克服 できないのか、と。見方を変えれば、そこにはさらに会社を輝かせる答えが必ずある。”