22.成果のあがる現場のリーダー像とは 「現場管理者が本当の経営管理者の仕事を任され、必要なスタッフをもち、権限を与えられ、その率いる単位組織が十分な大きさのものに なったとき初めて、彼らの仕事も処理可能なものとなる」   −『現代の経営(下)』P.194−  ここで言う現場のリーダー(現場管理者)とは普通の会社の課長や係長にあたる。小売業や飲食業の店長、営業部隊のエリア長、工場の 職長などだ。  彼らは、通常、万能であることが求められる。部下の面倒を見ながら、カイゼン活動も率いる。書類を作成して上層部や外注業者などと やりとりをする・・・・・。  忙しく現場を駆け回る彼らに対し、経営陣の指示は、仕事の優先順位も知らせず、「成果をあげろ」のみ。これでは本当に「任せている 」とは言えない。 ☆現場管理者のありがちな処遇  ・現場の目標管理、部下の育成、各人の目標設定、配置など全てが任されている  ・現場で優秀でもデスクワークに秀でていなければ昇進、昇給できない  ・しかし、意思決定には参画できない  つまり「仕事は現場に任せる」と言いながら、仕事の仕組みづくり、動機付け、報酬の設定、原則や慣行の問い直しなどに対する権限が  与えられていない                       ↓            【経営陣・上位管理職の[使い走り]になっている】                       ↓             現場管理者に仕事を任せるときに必要なのは・・・・・             ・現場全体を含めた本人の目標を設定できること             ・目標達成に必要な責任と権限をもち、情報が十分提供されていること             ・明確な基準で昇進、昇給のチャンスが与えられていること ☆理想的な現場管理者の例  @新商品の生産のための準備について権限をもっている   →部下の仕事量の調整を自分の判断で行うことができる   →必要な、使いやすい道具、設備を自分で調達できる  A事務係と指導係をもっている   →事務係は多忙な書類作業をサポートする   →指導係は時間のとられる新人の訓練をサポートする  B人事に関して、従来よりも大きな権限をもっている   →雇用、推薦、解雇、訓練、昇進、配置について権限をもつ   →人事部など他部門との関係にも責任をもつ  C従来よりも大きな現場組織を率いる   →働きに対して現場の代表にふさわしいポジションとなる   →結果、部下への管理が行き過ぎることがなくなる   →同時に、給与水準を上げることができる “現場は現場に任せるのが一番。そのために現場のリーダーには、より大きな責任と権限を与えるべき”