17.IT時代にリーダーが心がけるべきことー情報リテラシーを備え、活用する 「10年あるいは15年後には、コンピュータではなく情報を使うことが当たり前になっていなければならない。今日のところ、そこまで いっている者はごくわずかである」  −『ネクスト・ソサエティ』P.106  上の引用は1998年に書かれたものだ。「10年後、15年後」とは、まさに今。ドラッカーが期待する情報リテラシーをあなたはも っているだろうか?  少し前に「コンピュータ・リテラシー」という言葉が流行したが(リテラシー=読み書き能力)、まだそのような“ITリテラシー”は 社会に十分浸透していない。といっても、「コンピュータ・リテラシーを身に着けよう」と言いたいのではない。それはあくまで通過点。 現在求められているのは、さらに上のレベル。コンピューターを介して「情報」を使えること、「情報リテラシー」だ。  PCに詳しい部下を置いて安心している人はいないだろうか。彼らは技術面に詳しいだけで、「どんな情報を、誰から、どんな形で必要 なのか」を考えてくれるわけではない。必要な情報を必要なソースから集め、評価し、活用するのは、あくまであなただ。  「情報リテラシーがある」とは、情報を仕事の道具≠ニして使える、ということ。あらゆる産業や会社が複雑に入り組んでいるのが現 代社会。自分の業界に通じていれば食べていける時代ではない。  常に世界全体の動向をにらみつつ、事業の方向性を考えていかなければならない。その作業を効率化するものが、コンピュータだ。外の 世界の情報は、情報リテラシーによって獲得しなくてはならない。コンピュータを使えることと情報を活かせることは、似ているようでま ったく異なるのだ。 “ITの進化でビジネスの世界は一変した。しかし、多くの人はITへの適応に精一杯で、大事なことを忘れている。それは、ITとの 正しい&tき合い方だ。”