15.戦略をたてるために必要なことー5つの前提をもとに戦略を検討する 「最も重要な二十一世紀の現実は、破局的ともいうべき少子化の進行である。しかも、これは人類史上初めてのものである」     −『明日を支配するもの』P.49− ”変化の時代”とされる21世紀の経営は、5つの前提を踏まえて行う必要がある。それは、@先進国の少子化、A支配配分の変化、 Bコーポレート・ガバナンスの変容、Cグローバル競争の変化、D政治と論理との距離、だ。 1.先進国の少子化   ・欧米、日本など先進諸国では出生率が下がり続けている   ・年齢構造が劇的に変化し、60歳以上の人口が圧倒的となる            ⇒ 高齢者の知識労働者に魅力的な環境   ・若年層人口が減少し、労働力が急激に不足する                   をいかに提示し、生産性を高めるか?   ・退職の意味が変わり、定年を過ぎた人々がパートタイムで働くようになる 2.支配分配の変化   ・産業は常に成長、成熟、衰退の段階に移り変わる   ・人口構造の変化によって、医療・教育は今後も成長する             ⇒ わが社は成長産業、成熟産業、衰退産業   ・かつて盛んだったレジャーへの支出は衰退の兆しを見せている            のいずれに属するのか? 変化に対応す   ・結果、人々が何にお金を使うのかも、産業の変化とともに移り変わる         るためにとるべきリスクは何か? 3.コーポレート・ガバナンスの変容   ・「会社は誰のものか」「会社は何のためにあるのか」への理解が変化している   ・知識労働者である従業員のニーズを満たす経営が必要になる           ⇒ 知識労働者を惹きつけ、生産的に働いて   ・彼らがやる気を感じるような新しい「成果」を考えださなければならない       もらうための環境とはどうあるべきか?   ・知識労働者がやる気を感じるのは、金銭的な見返りに限らない 4.グローバル競争の変化   ・あらゆる会社は常にグローバル競争にさらされている   ・特に製造業では、コスト全体に占める肉体労働の割合がどんどん小さくなっている ⇒ わが社の生産性は、世界のリーダー的企業   ・いかなる会社でもトップレベルの生産性を実現できなければ淘汰される        が設定した基準と比べて高いか、低いか?   ・政府の保護主義で一時的な安泰はあるが、それは永遠ではない 5.政治の論理との距離   ・経済・情報・物流・人の移動は今後、さらにグローバル化する   ・一方、国がつくる境界、政治的な世界の閉鎖は強化されていく          ⇒ 法的・政治的枠組みにとらわれずに発展す   ・高い経済成長をめざす国では事業誘致のために、政策的なインセンティブという    る方法は? 為替変動にいかに備えるか?    ”エサ”がばらまかれる   ・為替変動はさらに大きな荒波となってあらゆる企業を襲う        ”戦略を立てる前に、まず会社を取り巻く前提をよく確かめよう。それが将来の生き残りに通じる”