「一度も間違いをしたことのない者、それも大きな間違いをしたことのない者をトップマネジメントの仕事につかせてはならない。間違い をしたことのない者は凡庸である。そのうえ、いかにして間違いを発見し、いかにしてそれを早く直すかを知らない。」    −『現代の経営(上)』− リーダーとして、組織を率いる者に求められている考え方、ものの見方は何か? 14.目標を立てるために必要なこと     目の前のことばかり追いかけていても賢い経営はできない。遠い将来を合理的に予測して、それに備えた目標を立てる必要がある。 「(マネジメントは)いかなる決定においても、起こりうる将来に対して可能なかぎり備えておかなければならない」    −『現代の経営(上)』P.128− ☆「経済は常に変化する」と考えること   意思決定のときは、常に急激に最悪の状態が訪れることを想定しよう。そうすれば、決定が”正解”だったのかはわからないが、最悪  のリスクを想定できるし、「変化に備えた必要最小限の利益はどれだけか」を知っておくことができる。 ☆まだ経済に影響が出ていない社会の変化を探す。(社会構造の変化、ライフスタイルの変化など)   すでに起こっているが経済への影響が現れていない事象に気づき、それに基づいて意思決定を下す。経済情勢を推測するのではなく、  その底流となる事象を探す。そうすることによって、社会全体の動きから、分析的に将来の経済的な方向性を検討することができる。  なかでも人口構造の変化は、将来の消費トレンドの潮流を強く示唆するため、重要な切り口である。 ☆そうした変化がどのくらいの確実さで起こりうるかを探る   底流分析で見えてきた将来の変化が、どのくらい確実に、いつ頃起こりそうかを分析する。電力消費量、生命保険料など、一時的な  好不況はあっても長期的には一貫した傾向で変化している経済動向に注目し、分析に役立てる。そうすることによって、好不況の波で  短期的に予想外のことが起きても、慌てず、10年、20年のスパンで事業について考えることができる。また、底流分析によって出された  結果を検証する役割を持ち、両者を並行して行うことで、より確実な将来のビジョンを見い出せる。  ”事業の将来は勘と度胸で考えてはいけない。できるだけ合理的に分析・予測する”