13.経営・管理に必要な基本スキルA チェック体制の組み立てと経営学の活用 「管理のための測定を行うとき、測定される対象も測定する者も変化する。・・・したがって管理に関わる根本の問題は、いかに管理する かではなく何を測定するかにある」      −『マネジメント エッセンシャル版』P.166 ☆チェック方法の特性を知り、経営能力の向上につなげる   仕事のチェックとは、意思決定とコミュニケーションによって動き出した仕事が、期待していた内容をどの程度満たしたかを検証しな  がら、修正していく作業である。   仕事をチェックする際に最も重要なのは、「何をよしとするか」を明確に決めておくこと。仕事のチェックとは、部下たちから見れば  会社が何を重要視しているかを示すメッセージとなるからだ。   この点、成果に結びつかない事柄を熱心にチェックしている企業は実に多い。チェックする対象をいますぐ検証し、決め直そう。さら  に「どのようにチェックするか?」ーその方法は、効率的でシンプルであることが望ましい。 ☆経営学の知識を用いて問題解決に役立てる   経営や管理を行う者は、経営科学についても知っておく必要がある。   経営学を生産的に活用するには、次のような流れで思考することが重要になる。   @仮説を検証する    A問題の所在と正体を明確にする    B複数の代替案、選択肢を考える    C目の前の問題解決のためのベター案をとる   叩き上げの社長などで「経営学なんぞ役に立つか」と言う人も多いが、それは経営学に「正解」を求めているせいだ。経営学はあくま  で一般論。自分の現実に即して補正しながら活用できれば、絶大な成果をもたらす生産的なツールにもなりうる。 ☆目標管理と目標による経営の違い   多くの会社で行われている「目標管理」はノルマ管理の言い換えであり、結果を管理しようとすること。上司の役割は叱咤・激励、叱  責・詰問。ドラッカーの言う「目標による経営」とは、会社全体の目標から個々が自分の目標を考え自律的な行動をうながすこと。      ”仕事のチェックとは「何が重要か」を伝えること。そして、飛躍のために経営学を使いこなす。”