11.成果があがる社風をつくる 「成果とは打率である。弱みがないことを評価してはならない。そのようなことでは、意欲を失わせ、士気を損なう。人は、優れている ほど多くのまちがいをおかす。」     −『マネジメント エッセンシャル版』P.146− ☆凡人が力を合わせて非凡な成果をあげるのが組織の強み   一人の優秀な人材、‘天才’に頼る会社は長続きしない。会社とはそもそも‘凡人’の集まり。彼らの強みを引出し、相乗効果で高い  成果をあげさせるのが経営者の仕事だ。人の働きは、心のもちようで大きく変わる。そこで、成果があがるマインド(組織文化)を育む  という発想が生まれる。  ポイント1.天才に頼らない・・・卓越した人物に頼って成果をあげようとする発想は捨てる。並の人間が集まって素晴らしい成果をあ        げることこそが会社の理想であり、目指すべきことである。 ポイント2.成果を基準に評価する・・・失敗しても総合して成果をあげている者を正当に評価する。成果は”打率”で考える。ミスが        ない者は、仕事が出来るのではなく、単にリスクをとらず、無難なことをこなしているだけである。  ポイント3.チャンスに目を向ける・・・問題に頭を悩ませるよりも、チャンスをものにすることに力を注ぐ。チャレンジャーとしての        興奮と満足感を常に味わい続けることが出来る。  ポイント4.人事評価を明確にする        昇進・降格、昇給・降給、採用・解雇は、「どんな人を必要とし、どんな仕事に報いたいと考えているか」を社内の人に伝        える最大のメッセージ。成果に注目し、フェアであることが重要。  ポイント5.真摯であること・・・同僚、部下に対して真摯であること。いかに博識で頭脳明晰で、仕事が速くても、真摯さに欠ける者        が上司を務める組織はやがて瓦解する。  〔失敗しない人に新しい価値を生み出す可能性を期待できるだろうか?「成果をあげる人」とは「価値を生み出す人」のことだ。〕 ☆人事に関わる決定は真摯さこそ唯一絶対の条件   人事に関わる意思決定には、経営側が要求するもの、重視するものが如実に表現される。だからこそ、人事の決定には、真摯さが不可  欠だ。公平さを欠く評価は、経営陣の信頼を失墜させると肝に銘じなければならない。     ドラッカーいわく「いかに博識で頭がよくても真摯さに欠ける上司は、組織を破壊する」