10.目標に向かって「何ができるか」を考えさせる 「目標管理の最大の利点は、自らの仕事ぶりをマネジメントできるようになることにある。自己管理は強い動機づけをもたらす。・・・ 最善を尽くす願望を起こさせる」   −『マネジメント エッセンシャル版』P.140− ★組織をまとめる方法を勘違いしていないか?  組織を誤った方向へ導く4つの要因  1.機能に基づく細分化    機能やスキルごとに組織を分けると、働く側もスキルに対する意識が強くなり、スキルアップが目的化する。スキルはあくまで全体    の成果にとっての手段。役割分担しながら全体のために働くという意識を失わせる体制は考えものだ。  2.上下関係の厳格化    上下関係が厳しいと、部下は上司の何気ない言動にも「何か意味があるのでは?」と邪推するようになる。「自分に不満があるので    は?」などと、ただのクセや習慣にも必要以上に過敏になりやすい。  3.現場と管理者の関心のズレ    ものの見方や関心事はポジションや職種などによってそれぞれ異なる。上下間や部署間で交流がない組織では共通理解・言語が育た    ず、生産的な議論が成り立たない。1つの目標に向かって力を合わせる意識も芽生えないので、力を合わせることができない。  4.誤った報酬のメッセージ    報酬を受け取る側にとって、自分がいかに価値があるか、認められているかの証。間違った成果を評価して報酬に加味すると、人は    自分の価値を誤解する。 ☆目標による経営によって自己管理の意識も磨く  「適切な」方向づけのために必要なことは何か。それが、「目標による経営」だ。上位部署の目標を明確に設定し、それに貢献できるよ  う部下の仕事を導くのである。   〔組織全体の明確な目標を定める〕⇒(経営者の自己管理が可能となる)         ↓   〔定めるべき目標〕売上アップ、コストカット、業務改善、新規プロジェクトの立ち上げ、人の育成、社会的な貢献など                   ↓              〔部門、部署、チーム、各ラインなどの目標を定める〕⇒(各人の自己管理をうながす)   ”部署ごとの目標を設定することで「自分に何ができるか」も明確になり、全体としても成果をあげやすくなる”