6.仕事と労働の違いを意識して人を動かす   「働くものが満足しても、仕事が生産的に行われなければ失敗である。逆に仕事が生産的に行われても、人が生き生きと働けなければ失敗 である。」−『マネジメント エッセンシャル版』P.57− ☆仕事の出来の管理は論理的、分析的に行う  仕事とは、人が働くことで生まれた結果のこと。人の働きが同じでも、仕組みが異なれば仕事の生産性は変わる。したがって、成果を伸 ばしたいという際、仕事の改善という側面からアプローチするなら、論理的、分析的に工程を見直し、効率化するかとが重要になる。 ☆労働の特性を理解して、働く人の意欲を引き出す  一方、働くこと(労働)とは、人の活動そのものである。上手に導いていくには、次のような特性を熟知しなければならない。  @働くスピード、リズム、持続力は人によって異なる。そのため、同じ仕事(結果)を目指す労働でも、人によりやり方が多様になる。  A人は働くことで何かを成し遂げようとする。つまり、労働とは自己実現の手段である。  B働くことでその人の社会的における役割や位置づけを決める。労働は、社会との絆をつくる。  C労働は生計を支えると同時に、社会の経済活動の基盤となる。  D組織で労働を行う場合、必ず上下関係、権力関係が生まれる。 ☆仕事と労働の違いを知り、経営に役立てる  仕事とはアウトプット(結果)、労働とはインプット(過程)であるとも考えられる。  仕事は生産的に行われた方がいいし、人は意欲的に働けた方が幸せだ。しかし、2つの両立は案外難しい。生産的だが人間的ではない職  場、みんな元気に働いているが生産性は低い職場。どちらもそう珍しくはない。  「仕事」と「労働」の両立こそが、事業の生産性を高める経営のポイントだ。   ”働く者のやる気を引き出し、生産性の高い仕事をさせることが経営者や管理職の課題だ。”