東京ボーイズ

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 第2次世界大戦末期、英国からの独立を目指したインド国民軍(INA)所属の少年45人が日本に送り込まれた事実はあまり知られていない。日本軍と共闘したINA最高指揮官チャンドラ・ボーズが独立の旗手として選んだ士官候補生で、「東京ボーイズ」と呼ばれていた。

 

 留学計画を進めたボーズは、英国からの独立には武装闘争が不可欠と唱え、非暴力主義のマハトマ・ガンジーらの穏健派と対立。軟禁されていたインドを41年に脱出、ソ連やドイツに支援を求めたが冷遇された。潜水艦を乗り継ぎ、大東亜共栄圏を目指し米英に宣戦布告していた日本に潜入。日本からINAを指揮し、少年たちを招いた。 だが、ボーズの「インドの少年にサムライ魂をたたき込む」という夢は日本の降伏であっけない幕切れを迎えた。

 

 インドやパキスタン、東南アジアに散り散りになり鬼籍に入った人も多い東京ボーイズ。そんな彼らに天皇陛下がインドを訪問されるというニュースが届いた。八十路を迎えた元少年らは期待に胸を膨らませる。