シリーズ【ドラッカー】vol.7 成果へ応える

ついに夏の大会が開幕した。

 

 

高校野球にイノベーションを巻き起こすことになる。

 

 

一回戦、二回戦とコールド勝ちをおさめるとチームは勢いに乗りベスト8まで勝ち上がった。

 

 

大会直前にキャプテンに任命されたマネジメントチームの正義はインタビューに応えていた。

 

 

 

このキャプテン任命という人事はドラッカーの言葉から決定されていた。

 

 

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 成果中心の精神を高く維持するには、配置、昇給、昇進、降級、解雇など人事に関わる意思決

 定こそ、最大の管理手段であることを認識する必要がある。それらの決定は、人間行動に対して

 数字や報告よりもはるかに影響を与える。組織の中の人間に対して、マネジメントが本当に欲し

 重視し、報いようとしているものが何であるかを知らせる。

 

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みなみはマネジメントチームに参加するようになって以来、精力的に取り組み、数多くの成果をあげてきた正義に対し「人事」という形で応えたいと考え、監督に進言していた。

 

野球が下手で選手としてベンチ入りすることが不可能だった正義をキャプテンに任命し、ベンチに入れることでマネジメントが本当に欲し、重視、報いようとしているものが何であるかを、組織の中の人間に対して知らせることができると考えたのだ。

 

この人事は野球部に二つのメッセージをもたらした。

 

一つは、マネジメントが求めているものは必ずしも「野球が上手いこと」ではないということ。もう一つは、成果をあげれば、マネジメントはそれにしっかりと応えるということだった。

そのため、特にレギュラー以外の部員たちに対して、この人事は大きな励みと強い動機づけを与えることとなったのだ。