リーダーになったらこの本 2

第五章 創造性を高めるリーダーシップ

 

 

⑱人はあまっているのに気がつかない -見方、考え方を変えることが大切-

 

 人不足というのも、こちらにとって都合よく働いてもらえる人が不足しているのであって、見方、考え方を変えれば、人はあまっているのである。気がつかないだけである。

 

 六十歳以上の高齢者は二千万人もいる。このうち半分は無理と計算しても、一千万人は、受入れ体制を変えれば、十分受け入れられる。

 

 また働きたがっている人はきわめて多いのである。家庭の主婦も半分はまだ活用されていない。学生も三人に一人は卒業しても就職しようとしなくなっている。さらに企業内失業者といって、窓際族などと呼ばれ、事実上遊んでいる人もたくさんいる。ムダをなくせば、三分の一の人は浮いてくる・・・といった具合で、いくらでも人はいる。

 

 外国人労働者の受け入れをめぐって云々されているが、あわてて導入するより、行革を進め、能率を上げ、三分の一は確実にムダになっている公務員を減らし、民間にまわすことを考えるべきである。

 

 また、他社でやる気を失っている人材をスカウトすることにも努力することである。考えようで、日本にはまだまだ人があまっていることをリーダーは知るべきであろう。

 


第五章 創造性を高めるリーダーシップ

 

 

⑰二十四時間勤務時代のアイデア研究 -夜行族の活用で順調に回転-

 

 ムダをなくし、労働時間を短縮することは、逆に営業時間、稼働時間を延長することである。人間一人当りの拘束労働時間は短縮するが、競争激化、商品や設備のライフサイクルが短縮する時代には、反対に価値を生む時間を増やさないと経営は成り立たなくなる。 日本が世界一の経済大国になり、世界のトップをいく金融センター、情報センターになった今、交通、飲食をはじめとしたあらゆる経済活動は、世界のために働く人々の需要にこたえ、二十四時間操業あるいは深夜操業にならざるをえない。

 

 そうでなくても人不足の時代に、人が増える交替勤務などやると、ますます人はやめていくと心配する向きもあろう。しかし、交替勤務のあり方を変えていけば逆に、人不足の解消にさえなるのである。

 

 いまの若い人の中には深夜の受験勉強を長く続けたために、夜行族になってしまった人がいるし、高齢者には早く起きて困っている人もいる。これをうまく活用し、早朝は高齢者、深夜は若い人、日中は中年というように役割分担型交替制にするといい。夜専門だと割高になるので希望者は多いものである。固定観念を打破すれば人も集まるのである。

 


第五章 創造性を高めるリーダーシップ

 

 

⑯ムダをムダと思わない限りムダは減らぬ -誰にとってのムダかが急所-

 

 ムダは自明のものと思っている人がいれば、それは人間や社会を知らない人である。ムダはきわめて主観的なもので、ムダだと思わない限り、その人によってはムダではない。だから、誰が何をムダと思うかによって、ムダなくしのあり方は大きく変わってくる。まわりの人がムダだと思っても、その人にとっては、そのムダな仕事をなくしてしまったら、自分が要らなくなってしまうのだから、必死になってその仕事にしがみつき、その仕事の必要性を屁理屈をこねて主張するものである。

 

 ここにムダなくしのむずかしさがある。そのムダな仕事をやっている人に、新しく、有利な仕事を与えれば、サッサとムダな仕事はやめてしまう。人間は誰でも損なこと、不利なことをやりたがるものではない。「その人に協力してもらおうと思ったら、協力したらどんな良いことがあるかを教えなさい」というのがムダなくしにも大いにあてはまる原理原則である。

 

 ムダなくしは、作業管理や原価管理のように見えて、実は、人事管理の問題であることを、リーダーはよく知っておかなければならない。

 


第五章 創造性を高めるリーダーシップ

 

 

⑮潜在〝脳力〟の引き出しで時短の実現 -職場のムダを半減して休日にする-

 

 アイデアの真の宝庫は、もちろん人間の大脳である。この〝脳力〟こそまさに無限のアイデアの泉である。

 

 人間の脳力は一生使いまくって一割も使えれば上々であるとされている。ノーベル賞受賞者クラスで14%だそうだから、凡人はその半分の7~8%というところであろう。だからちょっと奮発して、あと1~2%も活用すると凄いアイデアが出てくる。

 

 いま、日本人は働きすぎだと、労働時間の短縮が内外から強く求められている。景気がよくて人不足なのに、とんでもないというリーダーが多いが、これも、ものは考えようである。見方を変えれば、やっている仕事の半分はムダと思うようになる。そのムダを半減すれば、休日はいくらでもひねり出せるはずである。価値を生んでいる時間を削って休むのは論外だが、ムダを減らす分にはいっこう差支えはない。むしろ大歓迎である。

 

 そして減らしたムダの半分を休みにあて、残りの半分でより付加価値のある仕事に切りかえていけば、労働時間を短縮しながら収益は増大である。これがほんとうの「合理化」である。こうしなければその企業は生き残っていけないであろう。